酸味です、はじめまして
これは別冊マガジン2021年5月号を買いに行った時の日記です
3年ぶりくらいに自転車に跨って
少し離れた場所まで別冊マガジンを買いに行きました
いや〜あった
いつも一冊しかないのに
めっちゃ積んでた
半月前予約しなかったことを後悔し始めてから気が気じゃなかったけれど
こうして手に入って本当にうれしいし
あと寂しい
これ読んだら終わっちゃうんだな
読むのやめようかな
この前テレビでタレントのシェリーさんが「ハリーポッターが大好きで、終わって欲しくないから、未だに最終巻を読めない」って言ってた
今ならその気持ちめちゃくちゃわかる
でもわたしは止まらない
先月ラストシーンの早バレを喰らった
もう間違えない
わたしはネット断ちし、今度こそ早バレを喰らわずに戦う…
手に取ったときコンマ一秒でそんなことを考えた
ここで一度、深呼吸をする
この表紙を見てくれ
数日前発表された時、少し泣いてしまった
こんな最高の表紙があるか?
いままでのなんか見たことあるパロディ表紙シリーズだってもちろん良かった、最高だ、それが進撃の巨人だ大好きだ
しかし、こんな……
いや普通に泣いちゃった
見てくれこのエレン
こちらに向かって指をさしている
きっと「お前は何を傍観者気取って被害者ぶっているんだ?いい加減気付け、お前もこの物語を始めた加害者なんだ」と言っているんだろう
怖い
進撃との思い出を話そう
そもそも進撃が好きだったのは父だった
テレビで進撃の巨人が紹介され、本屋からコミックが消えた時
古本屋で買い揃えたのが始まりだった
その衝撃的な絵と展開に、父は簡単に堕ちた
しかしわたしは、偶然開いたソニーとビーンの見開きを皮切りに本を閉じ、長らく触れることはなかった
時々夢に4メートル弱くらいの巨人が現れ、それに怯えることがあったので、あの時はまだ「化け物に恐怖する漫画」という認識だったように思う
ゾンビ的な怖さに近かったのかもしれない
しかしその数年後再び出会うことになる
アニメのseason1が始まった
世間的にはここが進撃の巨人ブームと言われている
わたしもそれにのっかる形で今度はちゃんと読み始めた
手を出した時には既に六話まで進んでいて、話は二度目の超大型出現でマルコ達が力を合わせて巨人と戦う辺りだった
そのあとは早かった
即座に父からコミックを全て分捕り
最新刊10巻を買った
当時のわたしはアホだったので10巻を先に読んだ、みんなは絶対にやめて欲しい
あー、進撃の巨人と一話から時間を共にしてきた人が羨ましい
そんな気持ちを胸に最新刊まで追って読み終え、流れるように別冊マガジンを買い始めた
そして今に至る
こんな状況でも、進撃の巨人のない人生を想像できないでいる
長い間一緒にいた気がする
もう友達みたいに思ってる、一方的にではあるけれど
進撃のおかげで数少ない友達との交流も増えたように思う
たまにLINEとかで「今進撃どうなん?」って聞かれる。結局説明してもわからんって言われるし頑なに読んでくれないけれど
まぁ真実は進み続けたものにしかわからないので……
進撃の巨人は、これも話題になった「カメラをとめるな」みたいに、何度も始まるように思う
だから飽きが来なかったし、ラスト一話なのに、まだ何が起こるかわからないままだ
展開を予想できたことは結局一度もなかった気がする
獣の巨人が出てきた時はこいつが全ての黒幕だと思ってたし
完敗である
清々しいまでにこうべを垂れている
そしてそれが気持ちいいのだ
進撃の巨人は月一のドラッグみたいなものでもあったのかもしれない
だからこそそれがなくなるなんて、ヤク漬けになったわたしには恐ろしく考えつかなかった。
進撃の巨人は
ヴィランが何故ヴィランになったのか?というルーツを
『過去編』に当たる部分からじっくり描いた作品のように思えた
ジョーカーみたいな
物語の悪役を愛する人が求める『バックボーン』
※バックボーン別に好きじゃないヴィラン好きもいますよね、ごめん。
渡来の漫画だとヴィランが登場するのは主人公より後で、バックボーンを知れるのはもっと後
そいつの死に際の回想シーンとか
しかし進撃の巨人ではバックボーンから順を追って描く
たびたび『悪役の過去回想が嫌い、誰に怒りをぶつけて良いかわからなくなる』という意見を見かける
例えばわかりやすく大量殺人鬼的な悪役がいたとして、そいつは一角から見ると「めちゃくちゃ人を殺した悪人」なのだが
その過去を見ると「実は正義を持ち、他人に思いやりもあり、優しい人間だった」というのはよくある展開だと思う
しかし、その場合読者が最初に見るのは「大勢を殺した悪人」という部分なので、過去の話を今更されたところで……と、許し難い気持ちになるのもうなづける
特別そのキャラが好きなわけではないなら尚更そうだ
ただ物語そのものを「悪になる前の悪役」を主人公にして始めたとしよう
勿論人も殺していない、ある程度の優しさも持ち合わせているだろう、ただの子供
その子供が主人公で、彼は普通に暮らしていたが、突然大切な人を殺され、復讐を誓う。
段々と成長し、強くなり、仲間ができたりもするだろう。同じ志を持つ仲間と共に戦ったり、傷つき裏切られ倒れ、ボロボロになった彼はそれでも愛する人を守るため、ある結論に至る、それが「大虐殺」だったとしよう
それを単行本で15冊分程度、笑いあり涙ありで連載したとする
そうすれば、この物語の主人公にヘイトを抱く読者は圧倒的に少なくなる
むしろ、主人公の敵に位置するキャラクター達が非難される始末だ
これが面白い、コロコロと振り回される読者を見ていると、日常のしがらみを忘れて笑顔になる。
これが進撃の巨人、だったのかもしれない
以前、作者はインタビューで「いかに主人公の暴力を正当化させることができるか」を念頭に進撃の巨人を書いたと語っていた。
完全に負け犬の遠吠えだけど、わたしだって気づいてた!わたしだって気づいてたもんその策略!と思ったことも、今ここに書いておく。悔しい。
本当に同じものを見てるのか?
と感じるほどに読者の意見が割れるのが、進撃の魅力だ
読者が作中みたいに言い争いやってるんだから、面白くないわけがない。
漫画の中にも
①主人公の行いには全面的に賛同し神と崇める者
②主人公に肩入れしているが、その行動には賛同できない者
③主人公に肩入れせず、憎んだり、怯える者
など、ざっくり分けるとこのような派閥が存在した。
そしてそれが読者の中にも蔓延っていた、気がしている
少し話が逸れるが、自分が「こいつのやってることはあまり賛同できないし嫌悪感すらある。きっと世間でも嫌われているだろう」と思うキャラを検索すると、そのキャラをまるで神のように崇めているアカウントがヒットすることが多々ある。
面白い
そしてわたしの好きなキャラにも同等に、狂ったように信仰してる人や、こいつの顔を見るだけで反吐が出るみたいな人まで、ありとあらゆる思想が存在していた。
少し前に気づいた
「同じものを見ているのに、なぜここまで抱く想いに差が出るのか?」
なんともしょうもない意見の掛け違いからでも、戦争は起こりうる、よく聞く話だ
我々は一巻から同じ漫画を読んでいる
なのに抱いた感想
誰を正義とし誰を悪とするか
それは本当に相容れない
進撃のキャラクターの話を聞くのと、現実の人間の愚痴を聞く時の温度は少し似ている
それは読者である我々のバックボーンがあるからなんだろうなってなんとなく思ってる
今までの経験の積み重ねで
我々はなかなか分かり合えない
ゆっくり話し合う時間もない
大抵の人はバックボーンが語られる瞬間はないし、もし語られたところでだからどうしたとなる
そういういろいろで戦争は起こっちゃうのかもしれない
そう思ったりもしました
いろいろ考えたけど
どんな結末になるんだろう
少し前に発表されたラストシーンには繋がるんだろうか?
たくさんの伏線が回収され謎が解かれたり、アツい戦いだったりもとても楽しめたけど
この生きる現実みたいなお話がどう終わるのか楽しみだ
この漫画が終わったら日田へ行きたい
というかコロナが終わったら、だな
あとまた進撃の巨人展やってくれ、ひらパーでもどこでもいくよ
人生に楽しみをくれてありがとう、進撃の巨人
今から最終話を読みます
いってきます
文章作成日 2021/04/09頃
公開日 2022/01/05